<状況・背景>
支援先企業様では、個々のプロジェクトは推進され、成果が出ている一方で、組織の細分化や縦割りにより部署やプロジェクトを超えたコミュニケーションが停滞し、自組織の考え方を重視する行動も多く見られようになった。会社全体として業務の非効率さが増大していた。(※但し、前提条件として親会社からの業務・工程変更はコントロール不可の状況であった)
これにより残業の慢性化や高稼働が続き、メンタル不調、休職が増え、この状況を改善しようとしないミドルマネジメントのリーダーシップ欠如についても現場社員からの不満の声として上がるようになった。
また、親会社の事業戦略に大きな影響を受けているため、業務の優先順位や工程変更が頻発。それに対する各組織の対応の統制が取れていないことに加え、業務の増大によって振り返りの時間が十分に確保できず、組織課題に目を向けられない状況となっていた。
<問題点>
本プロジェクトでは以下のような問題が発生していた。
・ミドルマネジメントは自身の守備範囲で成果を上げている自負が強く、組織課題に対しては他責傾向が強い
・頻発する業務の優先順位や工程変更に対し、ミドルマネジメントが同じ方針で対応することができていない
・組織課題にも目を向ける余裕がないため組織課題が解決されない
これらの根本的な問題として、組織課題改善への当事者意識不足や、組織を超えてのコミュニケーション不足があった。
本プロジェクトでは、『ミドルマネジメントのリーダーシップ』が重要なテーマの一つであっため、活動開始時はミドルマネジメントを起点とするトップダウンでの組織課題解決を選択。
ミドルマネジメント間で対話し、組織課題解決に取組むテーマを決めた後は、現場メンバーを巻き込み、ボトムアップの提案を積極的に取り込んだ。
本プロジェクトでは、下記の3点に注力しながら進行した。
<ミドルマネジメント間の連携強化>
個別最適化している部署・機能毎の取組みを、全社戦略とリンクさせ、部署横断で共創する行動様式を獲得する。
<実行責任者(ミドルマネジメント)のオーナーシップ醸成>
ミドルマネジメントが組織課題の解決に関わる責任感とスキルを、今回のプロジェクト経験を通じて体現する。
<継続的な組織改善の風土づくり>
組織課題の解決に当たってミドルマネジメントを起点としつつ、全社で継続的に取り組む内容とし、全従業員が当事者意識を持って推進する。