プロジェクトにおけるスコープマネジメントとは?役割や注意点を解説

目次

    【要約】PMO導入フレームワーク

    PMO導入フレームワーク

    弊社創業者・高橋信也(著)「PMO導入フレームワーク~プロジェクトを成功に導く、人・組織・プロセス・ツール~」のエッセンスに、最新のPMO定義を反映した要約版です。

    当社はプロジェクトマネジメントの知識と経験を有し、皆様のプロジェクトが成功するお手伝いをさせていただいております。 プロジェクトマネジメントに関する疑問や課題がある方、成功への道筋をお探しの方、どうぞお気軽にご連絡ください。お問合せはこちらからどうぞ。

    ※『【要約】PMO導入フレームワーク』をPDFでダウンロードできます。

    本記事の読みどころ

    プロジェクトの作業範囲や成果物を決めて、マネジメントするテクニックをスコープマネジメントと呼びます。スコープ不明瞭がプロジェクト失敗の原因になることもあります。プロジェクトをスムーズに進めるためにも、スコープマネジメントを理解し、身に付けておくことが大切です。この記事では、スコープマネジメントの目的や手順、注意点などを解説するため、ぜひ参考にしてください。

    プロジェクト管理に役立つスコープマネジメントとは

    プロジェクトの目的・目標を達成するための成果物や作業を定義したうえで、決定した「要求事項」、「成果物」、「作業」が、プロジェクト実施中に変化していないかを監視する活動がスコープマネジメントです。プロジェクトの目標を定めることで、プロジェクトの途中で起きる変化を管理することができます。確実に目標を達成できるよう、管理するためのマネジメントテクニックとなっています。

    スコープマネジメントの目的を解説

    プロジェクトのスコープを管理・整理し、プロジェクトを関わる全てのステークホルダーが満足する結果に導くことがスコープマネジメントの目的です。結果に満足できないステークホルダーが一部でもいる場合はプロジェクトが成功したとはいえません。そのため、複数のステークホルダーが想定するスコープを把握し、必要なら調整や変更をしてすべてのステークホルダーが理解・合意できるスコープにすることがポイントです。

    PMBOKにおけるスコープの種類は2つ

    PMBOKとは、「Project Management Body of Knowledge」 の略語であり、プロジェクトマネジメントの手法や知識などを体系化したものです。1987年に初版が発行され、定期的に改定されています。プロジェクトマネジメントに関するガイド、手法、メソドロジー、ベストプラクティスです。ここでは、PMBOKにおけるスコープマネジメントについて解説します。
    PMBOKにおけるスコープマネジメントでは以下の2つのスコープが定義されています。

    プロダクトスコープ(成果物スコープ)

    プロジェクトにおいて「何を作っていくか」を定義づけしたものがプロダクトスコープです。プロジェクトのゴール、成果物を決めるため、スコープマネジメントの主軸となります。また、プロジェクトの進め方を決めるときの重要な要素です。

    プロジェクトスコープ(作業スコープ)

    プロジェクトスコープとは、プロジェクトにおいて「何をすべきか」を定義づけしたものです。プロダクトスコープで成果物を決めるのに対して、プロジェクトスコープでは必要なタスクを洗い出し、具体化していきます。

    スコープマネジメントを進める手順とは

    スコープマネジメントを進める手順は以下のとおりです。

    1. 計画を立てる
    2. 要求事項をまとめる
    3. スコープを定義づけする
    4. タスクを分解・WBSを作成する
    5. スコープの妥当性をチェックする
    6. スコープを管理し、必要に応じて調整する

    1.計画を立てる

    まずは、スコープマネジメントの方針を決めます。具体的にはスコープを定義して文書化、スコープの検証、スコープのマネジメントをどう進めるかの計画を立てます。
    この際、「スコープマネジメント計画書」と「要求事項マネジメント計画書」という文書を作成するとよいとされています。

    • スコープマネジメント計画書:WBSの作成方針やスコープの妥当性判断基準など、スコープの定義や検証方法について記載する
    • 要求事項マネジメント計画書:クライアントからの要求の収集・整理の方法、スケジュールを記載する

    2.要求事項をまとめる

    計画を立てた後は、クライアントなど各ステークホルダーのニーズをもれなく定義し文書化します。
    要求事項を収集したら、「要求事項トレーサビリティ・マトリックス」を作成し、要求事項を満たせているか、成果物への落とし込みがうまくいっているかを確認します。

    要求事項トレーサビリティ・マトリックス:要求事項を追跡できるようにするための表。要求元の情報や優先度、承認・変更などの状況を記載する

    まとめる際には、理解可能で一貫性がある、確認ができるといった条件を満たすことが重要です。また、測定や追跡、テスト可能なものであるかどうかも確認しましょう。

    3.スコープを定義づけする

    要求事項を基に、スコープをより細かく定義づけします。定義づけをする段階では、クライアントや自社の関係部署などの専門家とともに具体化していきましょう。この際、プロジェクトの要素や成果物、作業範囲、条件などを記載したプロジェクト・スコープ記述書を作成します。実現が難しい要求事項に対しては代替案を練り、実現に向けたアプローチをします。

    4.タスクを分解・WBSを作成する

    スコープや要求事項を参考にしながら達成に必要なタスクを洗い出してWBSを作成します。WBSとは「Work Breakdown Structure」を略したもので、プロジェクトの作業を細かく分けた作業分解図のことです。たとえば、「プロジェクト→大きなタスク→小さなタスク」というように、タスクを分解しながら整理していきます。

    WBSを作成することで、プロジェクトの作業工程が可視化され、タスクの抜け漏れなどの防止に役立ちます。また、作業工程をより具体化できるため、役割分担やスケジュールの決定、工数の見積もりなども可能です。

    5.スコープの妥当性をチェックする

    次に、定義したスコープをクライアントなどの関係者にチェックしてもらいます。前述したように、プロジェクトを成功させるには、関係者からの合意を得ることが重要です。そのため、定義したスコープを確認してもらい、要求事項を満たしているか、妥当性があるかなどを精査してもらいましょう。

    6.スコープを管理し、必要に応じて調整する

    プロジェクトを進める際には、スコープの管理が欠かせません。例えば、プロジェクトスコープ、プロダクトスコープが機能しているか確認します。他にも、成果物がスコープで定めたベースラインに達しているかなどをチェックし、状況に合わせて予定を変更するなど、柔軟に調整することも大切です。また、スコープと成果物が乖離していないかもチェックします。

    スコープマネジメントにおける注意点とは

    スコープマネジメントでは注意したいポイントがあります。ここでは、4つの注意点を解説します。

    ステークホルダーの合意を得る

    スコープマネジメントでは、関係者からの合意を得ることが重要です。プロジェクトにはさまざまなステークホルダーが関わります。そのすべての関係者から合意を得ることができなければ、プロジェクトの途中で問題が発生して最悪の場合には、プロジェクトが頓挫する場合もあります。

    そのため、プロジェクトを始める前に、プロジェクトに関係するステークホルダーを洗い出しておくと安心です。そのうえで、すべての関係者と話し合うなどしながら理解をしてもらい、合意を得る必要があります。

    常に最新の状態を維持する

    プロジェクトを進行する際には、修正や変更はつきものです。最初の計画が変更になることも少なくないため、情報の更新は欠かせません。常に最新の情報を維持しておくことで、プロジェクトがスムーズに進みやすくなります。更新や共有が滞っていて、古い情報のままになっていると、トラブルの原因になりかねないため注意しましょう。

    時間を決めて過不足なく要件を洗い出す

    1冊でプロジェクトマネジメントの概要を網羅している本です。単なる解説だけでなく、実際のプロジェクトをもとにした事例も多く掲載されています。トラブルへの対応方法も豊富です。プロジェクトマネージャーとして、必要な知識をひと通り学びたいと考えている従業員に向いています。

    スコープを可視化する

    スコープマネジメントでは、常にプロジェクトに関わる要素を把握しておくことも大切です。スコープを可視化して関係者に周知しておくことで、作業の漏れを防ぐことにもつながり大きな問題が発生するリスクも軽減できます。

    メンバーにタスクを割り振る際にスコープが明確でないと、後々トラブルにつながる可能性があります。

    まとめ

    スコープマネジメントとは、プロジェクトの成果物や作業範囲を定義し管理するマネジメント手法です。スコープマネジメントを活用することで、プロジェクトの目標達成が確実に進みます。スコープマネジメントを導入する際には、手順や注意点をしっかりと把握しておきましょう。

    MSOLは、創業2005年のマネジメント専門会社で、上場企業をはじめ幅広い業界のプロジェクト支援の実績があります。プロジェクトマネジメントの実行支援に強みがあり、DX推進に関わるものからトレーニングプログラムまで、さまざまなサービスをご用意しております。お客様の課題や予算に合わせて最適なメニューをご提案させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。

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    (会社名:株式会社マネジメントソリューションズ  略称:MSOL エムソル 監修者名:福井寿和)

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    PMO導入フレームワーク

    弊社創業者・高橋信也(著)「PMO導入フレームワーク~プロジェクトを成功に導く、人・組織・プロセス・ツール~」のエッセンスに、最新のPMO定義を反映した要約版です。

    監修者

    福井 寿和
    マーケティング部 部長
    株式会社マネジメントソリューションズ

    外資系IT企業にてエンジニア、プロジェクトリーダーを経験した後、2013年からMSOL参画。PMOとして金融、製薬業界のITプロジェクトを支援。その後6年間の会社経営を経て、2020年から再度MSOLに参画。PMO、営業を経て現職。