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MSOL流・即戦力で活躍できるマネジメント人財の育成の秘訣 | 実践で培われてきた確かなナレッジ
本記事の読みどころ
MSOLでは新卒採用はもちろん中途採用も積極的に行なっていますが、そもそもマネジメント人財の育成はどのように行なっているのでしょうか。また、プロジェクトマネージャーに求められる資質はそもそもどのようなものなのか、MSOL組織内の知見の蓄積や共有にはどのような方法があるのかなど、いずれも中途入社から即戦力として活躍する3人に話を伺いました。
中途入社でもすぐに活躍できる理由とは
―――皆さんは未経験からの中途入社でなぜいきなりPMOとして活躍できたのでしょうか?
松本:はい、理由は2点あると考えています。
1点目は、蓄積されたナレッジを生かした質の高い研修が用意されていることです。研修は教科書通りのことを教えるのではなく、実際にお客様をご支援して得られたMSOL独自の知見を基にした内容になっているので、とても飲み込みやすく、かつイメージがしやすいんです。
2点目は、現場に出た際のサポート体制の質の高さにあると思います。サポートが手厚い上に質も高く、またアラートを上げてからの対応がとても早いです。
以前、あるプロジェクトに携わっていた時にチームメンバーの動きに対してお客様からご指摘をいただいたことがありました。ご指摘の内容自体はそこまで重大なものではなかったのですが、そのご指摘を踏まえてMSOLが即座に改善施策を行うべきではないか、という認識に齟齬があるように感じました。齟齬を感じたまま進めると重大なミスに繋がってしまうのではないかと危機感を抱き、すぐに上長に相談したんです。上長はその場ですぐに私との会話の時間を設けてくださり、現状や私の認識、課題と改善策などをヒアリングして整理してくれました。そして、その日のうちにメンバーを集めてミーティングを行い、認識合わせおよび今後の方針を決めるサポートをしてくれました。
これはMSOL内の出来事ですが、お客様からのお声に対してももちろんスピーディかつ丁寧にサポートしてくれますし、ネガティブなだけでなく、ポジティブな内容に対してのフィードバックも早いです。こうした体制が用意されているところが、未経験の中途入社でもすぐに現場で活躍できる理由だと考えています。
営業本部 松本理咲
津田:MSOLの良いところは「チームの上のポジションにちゃんとPMOが得意な人がいる」というところです。
私は前職でPMOをやっていたし、適正もあると思っていたので特に障壁はなかったんですが、いきなり一人で現場に出されてできたかというとそうではありません。もちろん前職で培ってきた経験を100%出そうとはしますが、どうしても相手や環境ごとに合う・合わないということは出てきます。そういった時にPMOが得意なリーダーが、彼らの経験に裏打ちされたナレッジを素早く提供してくれたり、一緒にバリューを出せるように伴走してくれる体制が整っているのが大きいですね。
PMOの適性がある人を採用するから活躍する
―――元々PMOの適性がある人を面接で見極めて採用しているから人が育ちやすいというのもあるのでしょうか?
津田:あると思います。MSOLのPMOに求められるのは、お客様のプロジェクトにおける議論の活性化や専門性に裏打ちされたチームビルディング、リーディングだと考えています。それには、コミュニケーションを通して誰かに何かの行動をさせるという素養が必要だと考えています。
中途であれば「〇〇でコンサルをやっていました」という経験ももちろん大事なんですが、それよりも人の懐に入り込むのが上手いというスキルを持っていることが重要で、それらのスキルと、マネジメントの専門性、およびIT、業界などのバックグラウンド知識が重なることで我々のバリューを発揮できると考えています。
面接では、面接官自身が現場でバリューを出している人なので、PMOとして求められる素養をしっかり確認できているという感覚です。新卒の面接であれば、学生時代に達成したことを聞くことがありますが、それは達成したことそのものよりも、「達成までの道のりがどのようなものだったか」を丁寧に聞きます。派手な経験や目に見えるスキルよりも、そのプロセスをどう辿ったかにその人のPMOとしての素養が凝縮されていると思います。
桑原:コンサルタントとして求められる能力の中の一つに「仮説構築力」があります。MSOLの人財は仮説を構築するに至るまでの「状況整理力」や「見える化力」、そして仮説を提示した上で意思決定を促す力が優れていると思っています。加えて、適正の話にもつながると思いますが「お客様の中に入り込んでプロジェクトの中で一緒に考えながら当事者意識を持って自ら動いていく」というのが求められる能力であるのは間違いありません。
私が携わっている自動車業界は、今が大きな変革期であり、とにかく仮説を出して検証していくことが大切です。そこでは誰も確たる正解をもっていませんが、エンドユーザーが何を求めていて、業界としてどう進むべきかといったマクロ的な観点も必要です。MSOLの組織知としてこういった人財育成の知見は蓄積されているかもしれませんね。
PM事業本部 桑原真琴
―――桑原さん自身、様々なご経験をされていると思いますが、人財育成についてはどのようにお考えですか?
桑原:最近、私が所属する部署に新入社員が配属されたんですね。彼らの場合、「お客様の考えを『見える化』しましょう」と言っても「どうやるんですか?」という反応になるし、「お客様に聞いてみましょう」と言っても、「いつどうやって聞けばいいんですか?」となる。新卒なので当然右も左もわからないんですね。こういう場合はまず自分が実際にやっているところを見せて、その後理詰めで説明してあげることが重要です。単に「お客さんに直接聞きに行ってきてよ」と言ってもわからないんですよ。現場で求められるアクションを躊躇なく出来るということは重要なことです。
津田:新卒はそれでいいと思いますが、中途の場合は少しアプローチが変わりますよね。
例えば中途で入ってきた50代の人がうまく立ち上がれていないときにどうするか?という問題があったとしたら、マネジメント側と本人の双方に問題があるケースが多いんです。
50代くらいでMSOLへ入ってきた人は、PMOとしての最低限のスキルは求められますが、それ以外の前職で培ったマネジメント経験、視座の高さ、業界知識など、これまでに蓄積してきた経験値があるはずなので、それをうまくバリューとして発揮できるような環境に参画させるのがすごく大事だと思います。
ただ一方で、本人が自身の成長に前向きではない場合は、よい環境に参画できたとしても難しいですね。年齢にかかわらず「こういうことをしていきたい」と言える人であれば、そのためにどうすれば良いかといったことを一緒に考えられますよね。それはPMOの適性の話にもつながりますが、自分のキャリアビジョンを考えられる人はお客様がこの先どうなっていくべきかを自分事として考えて行動できる人が多いと感じています。
PM事業本部 津田学
―――松本さんは未経験から入社されて2年間現場でのマネジメント業務をご経験されたわけですけど、実際そこで成長できたと実感はありますか?
松本:ありますね。桑原さんもおっしゃっているように、まずは現場に出ることが大事だと考えています。自分の頭で考え実践し、その行動や結果に対して「なぜそうしたのか」「どうすることが最適か」「なぜそれが最適なのか」という適切な問いを、答えを教えるだけでなく、投げてくれる方が必ずチームにいます。
そのため、自然とマネジメントにおける考え方の基礎やポイントが身に付いていきます。基礎あっての応用なので、基礎が身に付いているか否かでその先の成長は大きく変わっていきますよね。自分にやる気があれば、いくらでも成長できる環境がMSOLにはあると実感しています。
MSOL流・人財育成のキーポイント
――MSOLの人財育成の方法について「これが柱」というものがあれば教えてください。
津田:人財育成というか、まずは目的意識の視座を高くしていくことが大事ですよね。
私たちは「プロジェクトマネジメントの成功請負人」なので、議事録や課題管理などは信頼関係をつなぐツールでしかないということをちゃんと認識すべきです。その上で僕らがやらないといけないのは「課題の発見と抽出」です。いわゆるボトルネックを発見してそれを全力で解決していくことが、僕らにもっとも求められていることなんです。そこのマインドをマネージャー陣としてはメンバーに伝えていかないといけないし、そこを伝えられるマネージャー陣がいることが、MSOLで人が育つポイントになっていると思います。
松本:プロジェクトを成功させるというミッションにおいて、PMO一本でやっていく覚悟と意識の高さを「PMOの専門家」とするならば、MSOLには「PMOの専門家」として覚悟と意識をもった人財が多くいます。かつ、その方々が「自分のナレッジを惜しみなく周囲に共有する・共有したい」という意思を持っていることが、人財育成の観点では大きいと考えています。皆がその意識でいるから、お互いに学び成長し、新たな人財が育っていく好循環があるように感じています。
桑原:ナレッジの話でいうと、松本さんが言ったように一つは情報もそうだし、仕組みを共有する意識も高いと思います。受験でたとえるなら、戦略系のコンサルはお客様に100点の答えを提示する役割の予備校みたいな感じで、それに対してMSOLは家庭教師のような存在で実際の受験生(=現場)と向き合うことが多いです。お客様にとって合格するためには満点ではなく70点でいい場合はあるわけで、ずっとプロジェクトに伴走し、都度都度答えを提示しながらゴールまで辛抱強くやっていくことができる人が多いし、そういうマインドをみんなが持っていますよね。
―――ただ聞いていると、PMOのスキルもそれを伝える方法もなかなか仕組み化・制度化できなさそうで、どうしても属人的になりがちという印象を受けますが、その辺についてはいかがでしょうか?
津田:僕らが売り物にしているマネジメントって、やり方に正解がないから、仕組み化とか制度化は難しい面があると思います。
ただ、そういった正解のないコンテンツをサービスとして提供する場合、メンバーが持っている知見、経験を共有する仕組みがあることがとても大事だと思っていて、MSOLでは徐々にその仕組みが整備されつつあると思います。それはPDR ※1も一つの施策だと思いますし、自分のラインではないメンバーとも積極的に1on1をするような仕組みづくりや、それを是とする雰囲気があったり、コミュニケーションのパスが組織内のありとあらゆるところで用意されているので、いろんなプロジェクトでの知見や経験を効率的に手に入れられる環境が作られていると思います。
そもそもMSOLって結構お節介な人が多いので、困っている人がいると助ける人がどこかしらにいるので、コミュニケーションを活性化する仕組みがはまりやすく、だからこそ色々なところで人と繋がるし、そういった環境が人財育成の面でも機能しているんじゃないかと思います。
左からPM事業本部 津田学、営業本部 松本理咲、PM事業本部 桑原真琴
まとめ
PMOにとってもっとも重要な資質は「コミュニケーションを通じて相手を動かす力」だといいます。具体的には、仮説構築力や提案力、チームビルディング力、リーディング力など様々なことが求められますが、どの力も一朝一夕で、また、座学で身につくようなものでもありません。だからこそPMO人財の育成は難易度が高いのです。しかしMSOLには、これまでの実践で培われてきた確かなナレッジを共有する仕組みが整っています。
また、今回のインタビューを通してわかったMSOLの人財育成における最大の強みは、「プロジェクトの成功請負人」としてのマインドが組織内に共有されていることにあるのかもしれません。
※1 PDR・・・Performance Development Reviewの略称。MSOLの評価プロセス。
https://www.msols.com/recruit/career-step/evaluation/
(撮影/音孝典 取材・文・編集/福井寿和、白戸翔)
PM事業本部
アカウントマネージャー
桑原真琴
前々職のシンクタンクでは様々なクライアントに対してリサーチ&コンサルティングサービスを提供。2009年から公募により岡山県瀬戸内市の副市長に就任し4年間市政に携わり、大規模プロジェクトの基本計画策定、組織内の仕組改革を実施。退任後、経験を生かして個人でコンサル会社を経営。その後さらに様な人やプロジェクトに関わりたいという思いから2020年3月にMSOLに入社。現在はPM事業本部PM事業部でモビリティ分野のアカウントマネージャーとして活動中。
PM事業本部
アカウントマネージャー
津田学
大学卒業後、国内大手SIerに新卒で入社。公共系案件のシステム開発において、技術および知財法務の観点で支援業務に約8年間従事していたが、その後、公共系案件を横断的に支援するPMO組織に異動し、約3年間PMOとして案件支援に従事する。次第にPMOの魅力や必要性をより意識するようになり、若手のマネジメント人財の育成にも興味を持ち、2020年3月にMSOLへ入社。現在はPM事業本部PM事業部でアカウントマネージャーとして、お客様を支援しつつ、人財育成や組織改革へも積極的に取り組んでいる。
営業本部
インダストリーマネージャー
松本理咲
母の影響で高校生の頃から経営コンサルタントになることを目標に、まずは、必要性の高いIT知識習得とIT全般への苦手意識を克服するために、大学卒業後はSEとして就職。その後、コンサルタントになることを目的に転職活動をする中で、マネジメントという汎用的なスキルを習得できるPMOに興味を持ち、2021年3月にMSOLに入社。約2年間PM事業本部でプロジェクトマネジメントに携わる。案件の始まりを経験すること、様々なレイヤーと接して視点・視座・視野を広げることを目的に、現在は営業本部に所属。お客様への提案営業を主な業務として推進中。