組織PMOによる組織課題解決
※掲載情報は取材当時のもの
大手メーカーの事業子会社様
- 売上 600億円
- 従業員数 1,200人
- 課題 組織課題の解決
- 支援サービス EPMO
プロジェクト情報
- プロジェクト名:組織PMOによる組織課題解決
- プロジェクト人数:40人
- フェーズ:課題抽出~対策実行
- MSOL支援人数:4人
MSOLが支援した背景
お客様の状況・背景
<状況・背景>
支援先企業様では、個々のプロジェクトは推進され、成果が出ている一方で、組織の細分化や縦割りにより部署やプロジェクトを超えたコミュニケーションが停滞し、自組織の考え方を重視する行動も多く見られようになった。会社全体として業務の非効率さが増大していた。(※但し、前提条件として親会社からの業務・工程変更はコントロール不可の状況であった)
これにより残業の慢性化や高稼働が続き、メンタル不調、休職が増え、この状況を改善しようとしないミドルマネジメントのリーダーシップ欠如についても現場社員からの不満の声として上がるようになった。
また、親会社の事業戦略に大きな影響を受けているため、業務の優先順位や工程変更が頻発。それに対する各組織の対応の統制が取れていないことに加え、業務の増大によって振り返りの時間が十分に確保できず、組織課題に目を向けられない状況となっていた。
<問題点>
本プロジェクトでは以下のような問題が発生していた。
・ミドルマネジメントは自身の守備範囲で成果を上げている自負が強く、組織課題に対しては他責傾向が強い
・頻発する業務の優先順位や工程変更に対し、ミドルマネジメントが同じ方針で対応することができていない
・組織課題にも目を向ける余裕がないため組織課題が解決されない
これらの根本的な問題として、組織課題改善への当事者意識不足や、組織を超えてのコミュニケーション不足があった。
MSOLに依頼した理由
- 個別プロジェクトでのMSOLの支援で効果を感じていたから
MSOLの支援内容
具体的な支援内容
下記のフローでプロジェクト遂行を支援した。①現状把握
・マネジメント、現場リーダー、メンバーへの課題感や個々の意志のヒアリング
②課題抽出と構造化
・ヒアリングから課題を抽出し、各課題の依存関係や因果関係をもとに構造を可視化
③組織全体での課題認識の共通化(ワークショップ#1)
・可視化した課題構造を土台に、課題の背景や内容についての理解を深める
④課題取組みの優先順位と対応方向性を決定
・トップマネジメント+ミドルマネジメントで、経営方針を踏まえた課題の優先順位と
対応の方向性を決定
⑤組織課題解決のタスクフォース組成
・ミドルマネジメントを軸に機能横断のタスクフォースを組成。課題解決の戦略を構築
⑥組織課題の対応策、ゴールの全体共有(ワークショップ#2)
・組織全体に取り組み概要と成功の基準等を共有し、組織課題解決への機運を高める
⑦個々のタスクフォース活動支援および、タスクフォース間連携等の全体進行
・個々のプロジェクトマネジメントと全体を俯瞰したプログラムマネジメントの実行
⑧成果(Quick Win)と今後の取組みの全体共有(ワークショップ#3)
・成果を示すことで、組織改善への動機付けを行う
支援効果
- 組織横断での忌憚なき対話が増え、思いの共有が深まった
- 組織課題と改善方針への認識刷り合わせが進んだ
- ミドルマネジメントが自分自身の行動を振り返るようになった
- 現場で組織変革を担うチェンジリーダー候補が出始めた
‐改善活動の意義を自分なりの咀嚼し、今回の活動をチャンスとしてボトムアップの提案を実施するメンバーが数名出てきた
プロジェクトの総括
本プロジェクトでは、『ミドルマネジメントのリーダーシップ』が重要なテーマの一つであっため、活動開始時はミドルマネジメントを起点とするトップダウンでの組織課題解決を選択。
ミドルマネジメント間で対話し、組織課題解決に取組むテーマを決めた後は、現場メンバーを巻き込み、ボトムアップの提案を積極的に取り込んだ。
本プロジェクトでは、下記の3点に注力しながら進行した。
<ミドルマネジメント間の連携強化>
個別最適化している部署・機能毎の取組みを、全社戦略とリンクさせ、部署横断で共創する行動様式を獲得する。
<実行責任者(ミドルマネジメント)のオーナーシップ醸成>
ミドルマネジメントが組織課題の解決に関わる責任感とスキルを、今回のプロジェクト経験を通じて体現する。
<継続的な組織改善の風土づくり>
組織課題の解決に当たってミドルマネジメントを起点としつつ、全社で継続的に取り組む内容とし、全従業員が当事者意識を持って推進する。