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プロジェクト立て直しのため、プロジェクト管理の導入、業務フロー作成を支援 ー 丹念なメンバーコミュニケーションにより自走できる組織の実現に貢献

※掲載情報は取材当時のもの

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古野電気株式会社

  • 売上 913億円
  • 従業員数 3,310 名(単独 1,794 名)
  • 課題 PMOの導入、プロジェクトマネージャー人材の不足、ERP導入プロジェクトにおける業務の可視化と推進
  • 支援サービス PMO支援
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支援先企業ご担当者様

支援先企業ご担当者様

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IT部 部長
峯川和久 様

MSOL担当者

MSOL担当者

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PMO Center事業部 
アカウントマネージャー
早川裕子

プロジェクト情報

プロジェクト情報

  • プロジェクト名:営業システムバージョンアッププロジェクト
  • フェーズ:要件定義フェーズ
MSOL支援概要(目次)

    導入の背景

    現場の声不在の中で進んでいたプロジェクトをストップ。リスタート時にMSOLのPMOを導入

    1948年に世界で初めて魚群探知機の実用化に成功した創業75年の老舗電気機器メーカーである古野電気株式会社。「〝見えないものを見えるようにする〟ことで安全・安心で快適な社会を実現する」をミッションに掲げ、舶用事業を中心に、さまざまな産業用電子機器の製造にあたっています。
    同社のIT部部長として、組織のDXを統括する峯川部長にMSOLのサービス導入に至った経緯や、その成果についてお聞きしました。

    早川:峯川さんは元々、プロジェクトマネジメントについての組織的な問題意識をお持ちだと伺いました。

    峯川:はい。当社は魚群探知機をはじめ、テクノロジーの力で「見えないものを見えるようにする」というミッションを掲げていますが、社内で可視化されていない課題や事業につながるデータを見える化するのが、私の統括するIT部のミッションです。

    私は当社に入社して12年目になるのですが、お恥ずかしい話、当時はまともにWBSを書けるような人材がいませんでした。つまり何かプロジェクトが立ち上がったとしても、そのプロジェクト全体を俯瞰して必要な業務を見える化し、計画を立てて実行管理できるような人材がいなかったのです。歴史のある会社にはあるあるですが、「経験」「度胸」「勘」などが経営においてもプロジェクトマネジメントにおいても、基本になってしまっていたわけです。端的にいえば、「見えないものを見えるようにする」と宣言しているのに、「自社はどうなんだ」ということですね。

    それらを見える化した上で経営していかないと、これからは世界で勝てません。それをするためにERPをはじめとしたシステムを導入していくわけですが、それらのプロジェクトを推進し成功に導いていくためには、プロジェクトマネジメントのスキルが欠かせない。そのような課題を日々感じていました。

    早川:そこからMSOLを選ばれた理由はどこにあったのでしょう?
    minekawa02

    峯川:元々そのような課題意識を持っていて、PMやPMOについてのコンテンツを色々見ていく中で、MSOLは真正面からPMOの重要性について語られておりましたし、真摯に向き合っている印象を受けました。
    加えて、PMOを専門にビジネスをされている点も大変興味深かったです。そんな火中の栗を拾うようなビジネスがあるんだという新鮮な驚きがありましたね。

    早川:その中で今回、弊社のPMOを導入いただいた背景について教えていただけますか。

    峯川:弊社は船舶用の電子機器事業が事業全体の8割を占めているのですが、残りの2割がそこで培った技術を基に、海にまつわること以外、例えばみなさんの身近なものでいえば、GPSやETC車載器など、陸上系のビジネスを手掛けています。今回はこちらのシステム機器事業部においてERP導入のプロジェクトが立ち上がったのですが、決裁をしなかったんです。
    理由は当時入っていただいていたベンダーさんのやり方が的を射ていなかったことが1つ、もう1つは発注しているこちら側の事業部の担当者たちの主体意識がゼロだったからです。

    実際に導入されたシステムを使うのは現場の実務担当者ですが、彼ら彼女らの声が届かないような形でシステム導入だけが進められようとしていました。こういったシステムの導入は実務担当者と上長、さらには組織が目的を共有して一丸となって進めていかないとうまくいくわけがありませんから、決裁できないという判断をしたのです。

    早川:一度プロジェクトをリセットされたのですね。

    峯川:そうです。しかし、元々のプロジェクトを推進しようとした担当者たちに主体意識がないので困ったなと思っている時に、御社のことを思い出しました。
    「社内のPMに対する意識は私が焚き付けて醸成していくので、PMOとして入ってほしい」と依頼した、というのが経緯です。

    導入の効果

    丹念なメンバーコミュニケーションから生まれた「自分たちでやってみよう」というマインドの変化

    早川:参入当初はプロジェクトの立て直しがメインだったので、チームの方々とリモートでのコミュニケーションを重ねながら、スケジュールの再作成や業務の洗い出し、参加メンバーの役割を明文化するなど、まさに「見えなくなってしまっていたものを見えるようにする」ことに注力しました。
    チームリーダーの方々は最初から積極的に発言してくれるなど、進んで協力してくれたので大変助かりました。

    峯川:それまで旗振り役がいなかったんですね。要は上からの命令ありきで、プロジェクトに関わるメンバーたちが腹落ちしないままスタートしていたので、実際に指揮を取るリーダーたちは不安だったと思います。
    MSOLにPMOとして入っていただいたことで、彼ら彼女らは「自分たちの意見を言っていいのだ」ということに気づき、主体性が生まれていったと感じています。

    早川:徐々にチームで一緒にやっているという雰囲気が生まれてきて、プロジェクトが回り出していく感覚がありました。

    峯川:MSOLに支援をいただく中で、プロジェクトに関わるメンバーたちも、今回のプロジェクトで導入されるシステムは自分たちにとって大切なものなんだということに気づき、自分たちが主体的にやらなければいけないのではないかという意識が芽生えていきました。今ではこの良いマインドが事業部のマネジメント層にも伝播しています。今回のPMOの導入によって、いわゆるマインドの変化が事業部全体に起きているんです。

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    早川:私たちにとって実務的な支援を評価いただくことはもちろんですが、メンバーやプロジェクトに関わる方々のマインドが良い方向に変わっていったというのはとても嬉しいことですね。

    峯川:これに関してはとても面白い現象が起きています。今ではプロジェクトに関わるメンバーたちが「今後MSOLは必要ですか?」と言うんですね。これはつまり、PMO業務を私にやらせてくださいということなんですよ。

    早川:PMOが欠かせない役割であると認識いただいたことに加えて、一度サポートを受けながらやってみたことで、今後は自分たちでやってみようというマインドの変化が起きたということですよね。

    峯川:その通りです。元々PMOの業務というのは魔法でもないですし、特殊能力が必要なわけでもありませんよね。

    早川:おっしゃる通りです。古野電気様に起きた変化は、私たちが目指す姿ともリンクします。MSOLとしては、PMOの重要性をしっかりお伝えしていった上で、私たちの支援なしにお客様たちが自走していくという世界を目指しているんです。
    それ以外でMSOLの支援内容で良かった点はありますか?

    峯川:大きく2つあります。1つはPMOに関する揺るぎないノウハウと信念をお持ちであること。2つめは、プロジェクトの成熟度に合わせて自分たちの役割を変えていく柔軟性です。
    プロジェクトマネジメントとはこうするといい、こうあるべきだというブレない信念があるからこそ、それを軸に臨機応変に対応できるのだと思いますし、その対応を見たメンバーの中に「自分でやってみよう」というマインドの変化が起きたのも、それが確かな方法論として確立されていて、誰にでもわかりやすく活用できるようになっていることをしっかり感じたからだと思っています。

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    今後、MSOLに期待すること

    組織を自分たちの手で成長させる意志があるが、その手段や考え方に課題を抱えている組織こそ、MSOLのサービスがマッチする

    峯川:実際に今回はプロジェクトの途中から自走することにしましたが、社内にPMやPMOの重要性が認識されたことで、今後はもっと効果的に頼れるようになるのではないかと思っています。

    早川:実際にMSOLのサービスを利用された峯川さんの立場から、どんな企業様にお勧めできますか?

    峯川:1つ目は、システムありきではなく、ITの活用によって組織を成長させていこうと思っていること。2つ目は、それを自分たちで考えながら運用していくという意思があること。3つ目に、手法や考え方が統一されていないために「全体進捗」を把握できていないという課題を抱えていることです。
    1つ目と2つ目の意思がなく、3つ目だけあってもダメだと思います。

    早川:おっしゃる通りで、単に「プロジェクトの人員が足りないから」ということでしか見ていらっしゃらない企業様だとお断りするケースもあります。

    峯川:単に工数で見ているんですよね。そうなってしまうと、ただの資料作成係にしかならないでしょうね。

    早川:ありがとうございました。最後に古野電気さん、峯川さん自身が目指す姿などがあれば教えていただけますか。

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    峯川:古野電気というよりも日本の製造業は、年々DXにおいて世界から遅れをとってしまっています。今回のインタビューでも再三話題に上がりましたが、見えないものの見える化、つまりデータの力をどれだけ自社のビジネスに活用できるかの重要性は、現在進行形で増していっています。
    今回私たちはMSOLのお力を借りて、新しいシステムの導入プロジェクトを進めてうまく進捗できたわけですが、私はこういった良いサービスについて積極的に発信していくことで、1つでも多くの企業が良質なサービスに出会え、それが日本全体のDXの進展につながると信じています。

    最後に、私は今、関西の製造業のDXを支援するCIOラウンジという非営利団体で活動しています。もし社内のDX化に悩まれているCIOやIT部門の責任者の方がいれば、お気軽にご連絡ください。
    https://www.ciolounge.org/

     (撮影/尾関裕治 取材・文・編集/福井寿和、白戸 翔)