「生活者とつながり続けるサービスを作る」 新規ビジネス開発 ー 現場とともに築いた「自律型組織」づくり
※掲載情報は取材当時のもの

エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社
- 売上 総額売上高 10,739億円(2024年3月)
- 従業員数 8,196名(2024年3月)
- 課題 事業開発ステップの助言・リーディング、チームビルディング、リスク管理
- 支援サービス PMO支援(新規ビジネス創出)


支援先企業ご担当者様

経営企画室 顧客サービス事業開発グループ
健康サービス開発部
部長 若井伸也 様

経営企画室 顧客サービス事業開発グループ
健康サービス開発部
マネージャー 春田一樹 様

MSOL担当者

PM事業本部 関西統括事業部
武田剛至

プロジェクト情報
- フェーズ:事業開発中期ステージ(事業構想・市場投入準備)
専門知識不足と人材不足を同時解決。小売業以外の領域へのチャレンジ
導入の背景
関西を中心に百貨店や食品スーパーなどを展開する、エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社 様。「地域住民への生活モデルの提供を通して、地域社会になくてはならない存在であり続けること」をグループの基本理念に掲げ小売業を中心に、幅広い事業を展開しています。
今回お話を伺ったのは、同社の「健康サービス開発部」の部長である若井 伸也様と、マネージャーの春田 一樹様。
小売業がメインの同社がなぜ健康なのか?それは、お客様一人ひとりへの価値提供を目指す「コミュニケーションリテイラー」として、既存事業を磨き上げると同時に、顧客データを活用した新規ビジネスを開発・展開しています。その中で、同部のミッションは、健康分野での新たな価値創造を目指すこと。
この度、このミッションを実現するパートナーとして、マネジメントソリューションズが参画。お二人に詳しくお話を伺いました。
武田: 弊社にお声がけいただいたきっかけは、どのようなことだったのでしょうか?
若井:主に2点あります。1点目は、社内に健康分野の専門知識を持つ人材が少なかったことです。新規ビジネスを立ち上げるにあたり、この分野の知見を持つ人材が不可欠でしたが、社内リソースだけでは十分な体制を構築することが難しい状況でした。
2点目は、最終的なアプリ開発を見据えたプロジェクトマネジメントを実行できる人材が不足していたことです。新規ビジネスの立ち上げとプロジェクトマネジメントの両方を担える人材を求めていた中で、ご紹介を通じてMSOL様を知りました。実際にお話を伺う中で、私たちの課題に対して的確な支援が期待できると感じ、プロジェクトの参画を依頼させていただくことになりました。
武田:他社も検討されたと思うのですが、その中で弊社を選んでいただいたのはどのような理由があったのでしょうか?
若井:一般的に、コンサルティングのイメージは、事業会社の事業計画を聞き、それに基づいて戦略を描いた上でアドバイスをしてくれるというものだと思います。その点はもちろん重要ですが、MSOL様では、我々に伴走し、実際の業務にも寄り添い、同じチームメンバーとして、同じ目線で汗を流して取り組んでくれる。その姿勢が、私たちにとって他社との違いとして大きな決め手となりました。
コンサルへのイメージが一変。MSOLの伴走型支援で新規ビジネスを推進
MSOL導入の効果
武田:春田さんにお聞きしたいのですが、このプロジェクトに参加されたきっかけはなんだったのでしょうか?
春田:私自身、学生時代に生物の領域を専攻し、また社内公募にてこの健康プロジェクトが立ち上がると聞き、迷わず手を挙げました。それまでは百貨店の店頭営業で紳士服や催事を担当していましたので、全く新しい領域への挑戦で、本当に右も左もわからない状態でした。若井も言ったとおり、社内にも健康という領域への知見があまりなく、何から着手して良いか迷う中で、2023年にMSOL様に支援に入っていただきました。
武田:そうでしたね。当時はMSOLの支援がどのチームに入るのかも含めて、何も決まっていない状況でした。メンバーのみなさんと一緒に市場調査をしながら、みなさん自身が「何を社会に対して提供したいのか」といった想いの部分も含めて、お話を伺いながら進めてきましたね。
春田:私自身、コンサルの方に入っていただいてプロジェクトを進めていくという経験がありませんでした。当時のコンサルへのイメージは、戦略を描いてスケジュールを引いて、推進していくものととらえていました。しかし、実際は全く違いました。MSOL様は参画した当時から今も、本当にメンバーと同じ目線で、膝を突き合わせて「自分ごと」として考えてくださっています。そのおかげで、プロジェクトをここまで一緒に進めてくることができました。
若井:武田さんは本当にメンバーと目線を合わせてくれています。「営業活動」「事業計画」「チームビルディング」などはプロジェクトを推進するにあたって必要不可欠なものです。それらのプロジェクトにおける必要項目の洗い出しから、1つ1つマネジメントの「型」を作っていただきました。
武田さんに支援いただき、ここまで、企画構想を練ってきました。いよいよ今年からは実行フェーズに着手し、さらにスピードアップしていく段階に移ることができました。
意識と行動を変える。真の自律型支援
今後MSOLに期待すること
春田:私は、このプロジェクトの担当になるまでは、新規ビジネスの開発は全くの未経験でわからないことばかりでした。武田さんから事業のご経験なども含めてお話しいただいたことで、自身の考え方や行動も変わってきた実感があります。
実際に、プロジェクトを今以上に推進するために、1年前からビジネススクールに通い体系的に学び始めてもいて、MSOL様の支援は、単なるプロジェクトの推進だけでなく、私自身のキャリアプランにも大きく影響しています。
武田:ここまでくる過程で、もちろん意見がぶつかることもありました。とはいえ、チームビルディングや人材育成というのは定量化・可視化できないものなので、このプロジェクトを会社の中期経営計画に載せるといった目標設定をして、そこに向かってリーダーシップを発揮していこうということを伝えてきました。
このプロジェクトのマネジメントは若井さんがされていますが、今ではリーダーとして春田さんも一丸となってチームを牽引されています。それこそがチームの成長だと思っています。
若井:メンバーの成長や社内での業務評価などにも気を配っていただいており、本来であれば他社の人材育成は支援の対象外の領域かもしれませんが、本当に私たちのことを考えてサポートいただいていると感じています。
どのような局面にも柔軟に対応してくれるパートナーが必要
どういった企業にMSOLのサービスはおすすめ?
武田:これまでの過程を振り返ってみて、どんな企業にMSOLの支援は適しているでしょうか。
若井:現代は変化が非常に激しく、既存のビジネスだけでは生き残れません。小売業界に限らず、このような難しい状況の中を生き残るためには新しいことを考え、挑戦していく必要があります。一昔前のような成長局面では、コンサルティングの方に対しても特定の専門性やスキルを持つ人材が求められてきました。これからはITの知識はもちろん、営業力、マネジメント力、経営視点など、多岐にわたるスキルを持ち、様々な業務を横断的に遂行できる人材が不可欠だと考えています。
私たちのプロジェクトはアジャイル型で推進していますが、どのような局面にも柔軟に対応していただける、アジャイル型の資質を持つMSOL様の存在を非常に頼もしく思っています。プロジェクトの推進はもちろん、武田さんと日々仕事をし、コミュニケーションをする中で、こちらのメンバーが日々成長している実感もあります。
武田:ゆくゆくは我々のサポートが無くても自律していけるプロジェクトになって頂ければと思います。
若井:そういった将来を見据えた支援に、とても感謝しております。今後も引き続きお力添えいただきたいと思っています。
私たちのプロジェクトでもそうでしたが、多くの企業が、既存事業で培った知見を活かして社会に貢献したいと考えている一方で、社内のリソース不足に直面しているのではないでしょうか。そのような企業こそ、同じ目線で寄り添いながら伴走してくれるMSOL様に相談されるのが良いかと思います。
武田:最後に、チームから世の中に伝えたいメッセージはございますか?
若井:健康の領域での挑戦は、社会に貢献する活動として行政様や他の企業様とのコラボレーションが必要だと思っています。また、同時にサービスを継続していくためにはビジネスとしてもしっかりと成立させることも不可欠です。
私自身、この部署に配属された時から、地域の方々のお役に立ちたいという強い思いを持っており、最終的には健康というテーマを通じ、お客様一人ひとりへの価値提供を目指す「コミュニケーションリテイラー」として、地域における「ビジネス深耕」と「社会的共感」を同時に実現できればと思っています。
-- エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社様より --
2025年 5月から生活者の健康習慣を応援する
新サービス「まち健」の実証実験をスタートします。
「まち健」は、地域の日常生活の中に“健康”を自然に取り入れ、
予防や気づきなどの行動変容につなげるきっかけをつくることを目的としたサービスです。
「お出かけついでに知る」「健康をお得に、楽しく」「健康を気軽に、ゆるく」をキーワードに、
身近で地域に密着した健康サービスを目指しています。
もしご興味がございましたら、是非お気軽にお問い合わせください。
【WEBサイト】:https://machiken.h2o-retailing.co.jp/
(撮影/久岡健一 取材・文・編集/福井寿和、白戸 翔)