プロジェクトのリアルを見える化:定着率ほぼ100%を実現したMSOL支援の裏側

※掲載情報は取材当時のもの

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TIS株式会社

  • 売上 連結:549,004百万円 単体:251,334百万円(2024年3月期)
  • 従業員数 連結:21,972名 単体:5,834名
  • 課題 上位層にプロジェクト状況が見えないため、可視化を目的に過去PJ管理ツールを導入したが、定着せず課題解決には至らなかった。
  • 支援サービス 標準ツール(PROEVER)導入
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支援先企業ご担当者様

支援先企業ご担当者様

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金融事業本部
カードネットワーク事業部 エキスパート
渡辺 一弥 様

MSOL担当者

MSOL担当者

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PMO Center事業部 アカウントマネージャー
早川 裕子

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PROEVER事業部
宮加谷 和俊

プロジェクト情報

プロジェクト情報

  • フェーズ: 導入定着有償支援
MSOL支援概要(目次)

    プロジェクトの全体像と現場の本当の姿を把握したい

    導入の背景

    システムインテグレーションを中心に幅広いITサービスを提供する大手IT企業、TIS株式会社様。金融、産業、公共など多岐にわたる分野で、高度なITソリューションを提供しています。

    今回、同社の金融事業本部カードネットワーク事業部様では、常時約50本ものプロジェクトが稼働する中で、プロジェクト全体の俯瞰的な把握と管理の必要性に迫られていました。そこで、プロジェクト管理ツール「PROEVER(プロエバー)」の導入を決定し、マネジメントソリューションズが支援に入ることとなりました。本日は、同事業部エキスパートの渡辺一弥様に、導入の背景とその成果についてお話を伺いました。

    早川:弊社が支援に入る前の状況について教えていただけますか?

    渡辺:私たちの事業部では、常に50本、多い時は100本ほどのプロジェクトが並行して稼働しています。そのため、進捗が滞ってしまったり、状態が悪くなってしまったりなど、各プロジェクトの状況把握に課題を抱えていました。その課題を解決するために、プロジェクト管理ツールを導入し、プロジェクトの状況を可視化した上で対策をしたいと考え、MSOLにご協力をお願いしました。
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    早川:ありがとうございます。各プロジェクトを把握しきれなくなった原因はどのような点にあったのでしょうか?

    渡辺:それまでプロジェクトの進捗や課題・リスク管理をExcelで行っていましたが、標準のフォーマットからの逸脱が増え、統一性が失われていました。具体的には、顧客からの要望や担当者による改良などが各プロジェクトで行われ、結果的に様々なバージョンの資料が作成されている状態でした。加えて、資料が各担当者のローカルフォルダに保存されていたため「あれ、最新の資料ってどこにあるの?」という状態になり、第三者がプロジェクトの状況を把握することが困難な状況になっていました。

    早川:それに対して、プロジェクト管理ツールで一元管理をすべき、というお話になったということですね?
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    渡辺:そうです。ただ一番の目的は、「現場の状況をリアルタイムで把握したい」ということでした。現場で入力している資料と、報告書は別なものだったので、実際に現場がどうなっているのかはマネジメント層からは見えにくい状態でした。

    早川:報告フォーマット自体は統一されていたのでしょうか?

    渡辺:フォーマットは統一されていましたが、実際には大変な状況でも、報告書には「問題ありません」と記載されていることがありました。どこでも同じだと思いますが、現場の本当の声というのはなかなか上に上がってきません。それでいざ進めてみると問題が起きる。突き詰めていくと、やはり報告書と実態が食い違っているということに行き着くんです。それらを全て可視化した状態にしたいというのが大きな目的でした。

    MSOLの手厚い導入支援に期待

    「PROEVER(プロエバー)」導入の理由

    早川:なぜMSOLのプロジェクト管理ツール「PROEVER」を選んでいただけたのでしょうか?

    渡辺:購入決定に私は関わっていないのですが、支援体制が充実していることが大きかったと聞いています。新しいツールを導入する際、現場のメンバーは使い慣れたツールから新しいツールへの移行を強いられます。そのため、新しいツールを定着させることが一番大変です。MSOLの場合は、導入時の手厚いフォローで定着率が上がると期待しました。
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    早川:ありがとうございます。それまでにも他社の管理ツールを使われたことはあったのでしょうか?

    渡辺:管理ツールはいくつか試したことがありましたが、どれもあまりうまくいきませんでした。使い慣れたExcelから新しいツールへの移行について、現場のメンバーは「自分たちに何のメリットがあるのか」と疑問を持ち、導入しても結局、定着には至りませんでした。


    早川:管理側としては統一したツールを使わせたいという思いが先行してしまったということですね?
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    渡辺:それもありますし、現場からの要望にうまく答えられるようなサポート体制がなかったというのも大きいです。

    早川:どういった要望があったのでしょうか?

    渡辺:新しいツールの導入時には、「もっとこういう機能が欲しい」「もっとこうしたい」といった要望や改善案が現場から上がってきます。しかし過去のプロジェクト管理ツールは、これらの要望に応えるためのサポート体制が万全ではありませんでした。それに対して、MSOLの導入支援は手厚く、現場がすぐに使える状態に持っていってくれました。応えるのが難しいような要望もたくさんあったと思いますが、一つ一つの要望に対して非常に真摯に取り組んでいただいた姿勢が、現場のメンバーにも伝わったのだと思います。現場も「ちゃんとやってくれているので、私たちもちゃんと使おう」というふうになっていきました。

    宮加谷:私が実際に「PROEVER」の導入サポートを担当した際、TIS様では既に他社のプロジェクト管理ツールが導入されていたものの、定着していない状況でした。原因は様々考えられますが、一番の課題は、そのツールがTIS様のニーズに合致していなかったことだと感じました。miyagatani01

    渡辺:そうですね。支援体制も万全なものではなかったので、なかなか定着しませんでしたね。

    宮加谷:導入定着の支援にあたっては、TIS様の高いプロジェクト管理レベルと、既に確立された標準に合わせ、テーラードしていくことが重要だと考えました。そのため、現場で使用されているツールや、プロジェクト標準の内容を詳細に把握した上で、「PROEVER」をどのように適用できるのか、導入設計に注力した、というのが導入当時の状況です。

    早川:「テーラード」とは、あくまでもシステムの仕様を変更するのではなく、TIS様の現状をヒアリングして把握した上で、「PROEVER」をどのように使えばTIS様のプロジェクトにとって最適かを考えながら支援していったということですね。プロジェクト管理ツールはあくまで「手段」であり、プロジェクトの成功が目的です。使ってもらうだけでは意味がないので、それを踏まえた支援体制を整えることを強く意識しました。

    プロジェクト状況の可視化と定着率ほぼ100%を実現

    導入の効果

    渡辺:実際に「PROEVER」を導入してまず効果を感じたのは、何よりプロジェクトの状態を俯瞰して見られるようになったことです。ウェブの画面上にプロジェクトがずらっと並ぶのですが、プロジェクトごとに晴れマークや雨マークなど、そのプロジェクトの状態を表すマークがつくので、一目で状況が分かる仕様になっているんです。そこから「このプロジェクトは雨マークになっているから状況を確認しよう」といったことがスムーズにできるようになったことが一番です。

    宮加谷:渡辺さんの目から、導入してからの定着状況はどのようにご覧になっていましたか?

    渡辺:「PROEVER」を使うように伝えたプロジェクトに関してはほぼ100%です。過去に他社の管理ツールを導入したときは、おそらく定着率50%程度だったと思うので、すごい進歩ですね。
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    早川:成果はありましたか?

    渡辺:なんといっても100%近い定着率が成果といえます。今回の導入は、すべてのプロジェクトに一気に導入をするのではなく、対象プロジェクトを決めて先行導入して徐々に広げていくというやり方を取りましたが、その導入対象プロジェクトに対して逐一「何か困ってませんか?」ときめ細かにフォローしていただけたのが本当に大きかったと思います。現時点では本当に自立して自走していけるかというと確信を持つまでには至っていませんが、4月からは支援の手を離れて自走していくので、我々マネジメント層がしっかり確認しながら進めていければと思っています。
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    組織規模、プロジェクト規模が大きいほど効果あり

    どういった企業にMSOLのサービスはおすすめ?

    渡辺:振り返ってみると、こちらの要望に対してMSOLから「できません」と言われたことは一度もなかったですね。

    宮加谷:そうですね。TIS様専用にツールの機能を改善することははなかなかできないのですが、要望に対して「できません」と答えるのではなく、なんらかの方法を常に考えて提案するようにというのは強く意識していました。お問い合わせいただくということは、その裏には何かしらの意図や目的があるはずで、それを汲み取ってできる限り答えるにはどうすればいいかを考えることは、支援チームとして最も意識していた点です。miyagatani03
    渡辺:必ず一旦は受け止めてくれていましたよね。受け止めた上で、最終的に「保留」という判断になることも当然ありましたけど、その場で「できません」と言われたことはありませんでした。全体を通して本当に丁寧に対応していただいたというのが他社との大きな違いでした。hayakawa02-1
    早川:最後にお聞きしたいのですが、MSOLの導入支援サービスや「PROEVER」はどんな企業におすすめでしょうか?

    渡辺:弊社のように多数のプロジェクトを動かしているような企業、パッと思いつくのはSIerのような受託開発を多数動かしているような企業でしょうか。組織の規模が大きければ大きいほど、導入の効果は高いと思います。なんといっても丁寧で親身な支援体制がポイントですが、「PROEVER」はプロジェクトを俯瞰して見るのに優れたツールです。導入によって全体が俯瞰してみられるようになれば、大枠を調整してやりやすくなると思うので、より大きな組織、大きなプロジェクトに向いているように感じます。
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    IS株式会社について(https://www.tis.co.jp/
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    TISインテックグループについて
    TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心とした様々な社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。

     (撮影/尾関裕治 取材・文・編集/福井寿和、白戸 翔)