プロジェクトの状況を可視化し認識齟齬を払拭 ―プロジェクト成功に向けて伴走したMSOL(エムソル)のPMO支援
※掲載情報は取材当時のもの
トヨタコネクティッド株式会社
- 売上 グループ単純合算 約1,000億円(2022年度)
- 従業員数 単体 1,230名 グループ合計 約2,000名(2023年12月現在)
- 課題 複数ブランドの共存、既存サービスと新規サービスの融合、立場の異なる多くのステークホルダー間の調整、システム開発とサービス企画の両方をつなげたサービス全体の設計
- 支援サービス PMO支援
支援先企業ご担当者様
コンシューマー事業部
エネルギーマネジメント事業室
室長 中嶋 博之 様
MSOL担当者
関西支社 PM第3事業部
プロジェクトマネジメントアナリスト
紺谷知史
プロジェクト情報
- フェーズ:計画、実行
PMOが解消した認識の乖離
導入の背景
トヨタ自動車(以下、TMC)のコネクティッド領域を担当しているトヨタコネクティッド(以下、TC)は、車両をインターネットや他のデバイスと接続するIoTの技術を用いて得られた情報を、運転の安全性をはじめ、車両の課題解決や新しいサービスの開発に繋げることを主な業務としています。
同社のコンシューマー事業部エネルギーマネジメント事業室室長・中嶋博之さんに、MSOLのサービスを導入した経緯や、今後MSOLに期待することなどについてお聞きました。
紺谷:中嶋さんがこのプロジェクトに関わられるようになった経緯について教えていただけますか。
中嶋: 当時、私は新規事業推進グループを任されていて、本プロジェクトの立ち上げメンバーではなかったのですが、ある時「0.3人月くらいで手伝って。」と声を掛けられ、プロジェクトマネージャー(以下、PM)という立場を任されました。
PMになった当初はなかなか難しい状況でした。メンバーそれぞれが自分の役割を精一杯果たしながら、業務に取り組んでくれていたのですが、プロジェクト運営の細部における認識が明確に統一されていなかったのです。そのため、同じ質問をしても、微妙に違う回答が返ってくるといったケースが散見され、その微妙なズレが積み重なり、認識齟齬が生まれ、手戻りの発生に繋がるといった状況が続いていました。ただでさえ多くの工数を抱えているメンバーでしたから、手戻りによる工数負担や精神的なストレスも限界を超えていました。
紺谷:そうでしたね。私も別の案件の支援に入っていたのですが、その横で本プロジェクトが立ち上がったんですね。でもどうやらPMOを入れた方がいいんじゃないか?ということになり、以前に別のプロジェクトでMSOLを知っていた方にお声がけいただいて支援に入ったのが最初です。状況を細かくヒアリングし、整理・分析するなかで、マネジメントの土台部分の構築に問題があると考え、まずはプロジェクト計画書を基にプロジェクト内の状況を可視化し、認識を合わせることが最優先と判断しました。
マネジメントの基礎が固まり、手戻りも減少。
MSOLが組織間の中継役となることで、プロジェクトが円滑に推進
MSOL導入の効果
プロジェクト計画書に基づき、プロジェクト状況を可視化
中嶋:プロジェクトに関わる些細なことまで言葉や図を使って明確にし、メンバー間の認識を統一するとともに、タスク管理ツールなどを利用して状況を可視化することで、プロジェクト全体がよりスムーズに動き出しました。
中嶋:普通のことを普通にやるのがこんなに難しいのかと思いながら、基本的なところをMSOLの力を借りながら進めていきました。すでにメンバー1人1人の負荷は限界まできていたので、負荷状況に注意しながら個々の役割を明確に決め、タスクを振り分けることを徹底しましたね。
元々、一生懸命なメンバーばかりでしたから、迷いがなくなることで動きやすくなり、本来のポテンシャル発揮に繋がったのだと思います。
MSOLが部門間の調整役として活躍
中嶋:ほかにも、MSOLには組織間の中継役として間に入っていただき、大きな力になっていただきました。今回のプロジェクトでは社内外に複数の関連部門があり、効率的なコミュニケーションの実現も課題の1つでした。そんな時にMSOLが各社のPMOと話してプロジェクトが円滑に進むように地ならしをしてくれたことは、プロジェクトを前進させるのに非常に有効でした。
紺谷:各社のPMO間でコミュニケーションをとることで、お互いの間に落ちそうなボールもちゃんと拾いながら進めることができましたよね。
中嶋:このような組織間のコミュニケーションのほかに、MSOLに入っていただいて特に良かったのは、プロジェクトマネジメントの「型」をメンバー間で共有できたことです。型があることによって、組織としてどこがハマっていて、どこがハマっていないかが明確にわかりますし、ハマっていなかった時も迅速に対応できます。確かな「型」があるからこそ、あらゆることに臨機応変に対応できることがわかりました。
人材育成とプロジェクトマネジメントの支援で強い組織を作りたい
今後MSOLに期待すること
紺谷:今後MSOLに期待することなどはありますか?
中嶋:私個人としては、4月から事業部門の室長という役割に変わったことで、マネジメント部分を伸ばしていく必要があり、その一つが人材の育成です。この点において、MSOLのノウハウは非常に有益です。実際すでに社内研修の部分でMSOLのお力をお借りしているのですが、この部分は引き続きお願いしたいです。
また、これから新たなプロジェクトも動き出しますので、プロジェクトマネジメントの部分も引き続きお力添えいただきたいと思っています。
紺谷:ありがとうございます。実際に社員の皆様に研修させていただいていますが、以前は中嶋さんにもMSOLのマネジメント研修を受講いただきましたね。
中嶋:そういった研修を受けた後でつくづく思うのは、MSOLのノウハウがいかに有益かということと、「研修によって組織内に共通言語ができる」ことの重要性です。皆が同じ研修を受けることで、共通言語ができ、コミュニケーションが円滑になります。
人材のマネジメントとプロジェクトのマネジメント。やはりここは両輪だと感じています。仮に崇高なビジョンや完璧なプロジェクト計画書があったとしても、そのプロジェクトを動かすのは「人」なので、人がうまくプロジェクトに乗ってこないと物事は進みません。その両面でMSOLのノウハウをお借りしたいですね。
型破りなプロジェクトにはMSOLの支援が最大限に生きる
どういった企業にMSOLのサービスはおすすめ?
紺谷:実際にMSOLと仕事をしてみて、どういった企業に弊社のサービスは合いそうでしょうか?
中嶋:支援に入っていただいて一番感じたのは、MSOLの柔軟性がものすごく高いことです。今回のプロジェクトは異例な状態からスタートしましたが、MSOLはその状況を即座に整理し、的確な方針を示してくれました。従来の型通りに進まないプロジェクトや組織においても、専門知識と柔軟性を発揮してくれるMSOLに頼ると良いのではないでしょうか。
紺谷:現在の状態を無視して理想像に向けて大きな戦略を立てるというよりも、今ある組織の状態に合わせた支援、一緒に汗水垂らしてやっていきましょうという心構えでいることはたしかです。
中嶋:型を持ちつつも、型にはめる部分と破る部分をプロジェクトの状況に合わせて最適に提案くださるのがMSOLの特徴ではないでしょうか。
紺谷:理想にたどり着くまでの道のりを、私たちも汗をかきながら伴走する覚悟でいます。MSOLは、状況に応じた柔軟な対応力と深い知見を活かして、プロジェクト推進のために最適な伴走パートナーになれます。
中嶋:プロジェクトの現実を前にして、どうしていいかわからなくなってしまったらMSOLに聞けば間違いないと思っています。
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(撮影/渡辺亮太 取材・文・編集/福井寿和、白戸 翔)