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プロジェクトを失敗させないヒント30『“死に体”の運用ルールを蘇生させよ』
『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』とは
本記事は、プロジェクトを成功させるために必要なノウハウを、数百の支援実績経験をもとに記述した『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』より、 1つずつヒントをご紹介していく企画です。プロジェクトマネジメントについて、何らかの気づきを得るきっかけになれば幸いです。
当社はプロジェクトマネジメントの知識と経験を有し、皆様のプロジェクトが成功するお手伝いをさせていただいております。 プロジェクトマネジメントに関する疑問や課題がある方、成功への道筋をお探しの方、どうぞお気軽にご連絡ください。
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※『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』をPDFまたは電子書籍でダウンロードできます
ドキュメント作成や課題管理に関する各種ガイドラインや運用ルールは作成されていても、うまく運用されていないことが多々あります。PMOは、その導入・定着を推進する場作りのために、実行力を発揮しなければなりません。
プロジェクトの開始直後に、プロジェクト運営に関わるガイドラインや運用ルールを作成することがプロジェクトを進めるうえでは当たり前になってきました。「WBSはどのくらいのレベルで記述するか」とか、「課題の管理項目はこれとこれだ」など、様々な決め事のことです。これも、PMBOKガイドが普及してきたことの表れでしょう。しかし、なかなか運用が軌道に乗らず、「仏作って魂入れず」という状態に頭を悩ませているマネジャーは多いもの。例を挙げれば、次のような問題が起こりがちです。
- WBSが最新の状態に更新されない
- 課題管理フォーマットがチームごとにバラバラ
- 課題管理表に課題以外の作業項目(To Do)が混ざっている
- リスク管理表が更新されない
- 定例会議の参加者が減ってくる
プロジェクトの開始直後は、ガイドライン通りに運用しているかもしれませんが、徐々に陳腐化してきたり、チームごとに独自の方法で運用し始めたりするケースがよく見受けられます。何が悪かったのでしょうか。
原因の1つに、ガイドラインや運用ルールが硬直化していることが考えられます。ガイドラインを改善する更新フローがなかったため、各チームの判断で勝手にカスタマイズしてしまうのです。例えば、課題管理表のフォーマットについて、「担当」欄をシステム側担当者とユーザー側担当者の2つに分けたいという要望が出たとしましょう。そのチームでは「これぐらいの変更なら問題ないだろう」とか、「そもそも誰に変更要望を知らせるべきか分からない。まあいいか」と考えてしまいやすいもの。これが原因で課題管理フォーマットのカスタマイズが起こるわけです。
こうしたカスタマイズがチーム内だけに閉じたものならまだいいですが、大抵はプロジェクトマネジメントや他のチームに影響を及ぼしてしまいます。プロジェクトマネジメント側は、課題リストから色々な集計作業を行っているはずです。課題管理表に対する小さな変更でも、それらの集計作業に影響を及ぼすでしょう。
「改善」をしつこく、楽しく
プロジェクトの状況は日々変化しますので、ガイドラインや運用ルールについても適宜改善が求められます。改善を怠ると、すぐ陳腐化、形骸化が始まります。PMOが更新フローを明確にし、また各チームの状況をヒアリングして、その都度ガイドラインの見直しを実施します。特に次フェーズへの準備として、ガイドラインの更改を行うのは必須です。
運用ルールの徹底は一朝一夕ではいきませんので、PMOが主体的に定着させていくことが大切です。ガイドラインを作成して終わりではなく、実行段階における各チームへのフォローアップが欠かせません。運用ルールを定着させる過程でルールの陳腐化が発見されたら、従来とは違う方法を試してみるなど、迅速に手を打つべきです。
また、成果が出るまで改善を続ける「しつこさ」が必要だと感じます。さらに、変えようとするカルチャーを大切に育み、改善のプロセスを「楽しく」して、自律的な改善サイクルを確立していくことが何より必要でしょう。このサイクルの中心にいるべき存在は、もちろんPMOです。