プロジェクトを失敗させないヒント35『新しい管理プロセスが定着しない理由』

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    『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』とは

    『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』とは

    本記事は、プロジェクトを成功させるために必要なノウハウを、数百の支援実績経験をもとに記述した『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』より、 1つずつヒントをご紹介していく企画です。プロジェクトマネジメントについて、何らかの気づきを得るきっかけになれば幸いです。

    当社はプロジェクトマネジメントの知識と経験を有し、皆様のプロジェクトが成功するお手伝いをさせていただいております。 プロジェクトマネジメントに関する疑問や課題がある方、成功への道筋をお探しの方、どうぞお気軽にご連絡ください。
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    ※『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』をPDFまたは電子書籍でダウンロードできます


    新しい管理プロセスを導入しようとしたら、順守しない人が多くいることに愕然とした経験はないでしょうか。管理プロセスの導入・定着化に限らず、人は新しいルールを導入されると拒絶する傾向があります。そもそも人は自分自身が納得していない変化や、一方的に押し付けられた変化を好みません。

    それでは、どのようにルールを導入していけばよいのか。PMOの視点から考察してみましょう。新しい管理プロセスやルールを策定した際に、よく起こる現象は以下の通りです。

    (1)課題管理プロセスを導入した
    (2)しかし、ルールを順守しない人が多い(定着しない)
    (3)課題管理票の記載レベルは低いまま。課題も備忘録もリスクも、ごちゃごちゃになっている。その結果、意思決定に利用できない
    (4)記載レベルを上げるために、異なる方法でアプローチする

    大抵は(1)~(4)の繰り返しになります。一見、PDCA(計画・実行・検証・見直し)サイクルを回しているようにも見えますが、プロセスそのものが複雑化し、悪循環を招くだけです。どうして、このようなことが起こるのでしょうか。

    「いいものは使用される」という勘違い

    これは、「いいもの(=品質の高い管理プロセス)はみんなに使われる」という誤解から生まれます。ルール策定者はルールそのものの品質にばかり関心を向けがちです。その前に、以下の2点を確認してみるべきです。

    (1)メンバーは管理プロセスやルールの存在を知っているか
    (2)メンバーは管理プロセスやルールを理解しているか

    プロジェクトマネジャーやPMOはまず、どうしたらメンバーに新しい管理プロセスやルールの存在を知ってもらえるかを考えるべきです。そのうえで、どのようにメンバーに理解してもらうかを検討しなければなりません。

    (1)と(2)の確認をせずに、管理プロセスが定着しない原因を「手法」や「メンバーのレベル」に求めるのはナンセンスです。定着しない原因を手法に求めているうちは、どんな手法も定着しません。なぜなら、定着しない原因の根底には「人の気持ち」があることが多いからです。人はルールが変わると「自分の仕事が増えるのではないか」「自分の知識や技術が役に立たなくなるのでは」「新しいことを覚えるのは面倒だな」「何がいつ、どう変わるのか全く分からない」「自分にとって何のメリットがあるのか」と不安に感じます。

    納得できなければ、メンバーは動かない

    新しい管理プロセスの導入は、管理される側にとって少なからず負担の大きなものです。進捗会議で「管理プロセスを策定したので、次回からお願いします」と突然説明されても、メンバー側は押し付けられていると思ってしまうだけ。メンバーにしてみたら「無意味とも思える工数の増大」を強いられているのですから、メリットや必要性、導入後はどのように変わるのかをきちんと踏まえたうえで、綿密なコミュニケーション計画を立てる必要があります。具体的には「管理プロセスの策定 → 説明会の実施 → 導入 → 定着化モニタリング」のアプローチを取ることが多いと思います。

    ただし、このアプローチでは、現場の気持ちや思い、現場の事情を知る機会がないため、反発が起こる可能性があります。管理プロセスの策定後には、現場との入念なコミュニケーションが重要です。管理プロセスの導入を告知し、それに対して意見交換をする段取りを踏みます。メンバーが納得しなければ、理解は促進されません。