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プロジェクトを失敗させないヒント38『見える化で得た情報の「関連」を見える化する』
『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』とは
本記事は、プロジェクトを成功させるために必要なノウハウを、数百の支援実績経験をもとに記述した『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』より、 1つずつヒントをご紹介していく企画です。プロジェクトマネジメントについて、何らかの気づきを得るきっかけになれば幸いです。
当社はプロジェクトマネジメントの知識と経験を有し、皆様のプロジェクトが成功するお手伝いをさせていただいております。 プロジェクトマネジメントに関する疑問や課題がある方、成功への道筋をお探しの方、どうぞお気軽にご連絡ください。
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※『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』をPDFまたは電子書籍でダウンロードできます
現場はプロジェクトの見える化に様々なやり方で取り組んでいます。しかし、見える化の最終目的をもう一度見つめ直し、そこに個々の見える化指標を階層的につなぎ合わせることで、効果をさらに高めることができます。
プロジェクトを成功させるためには、プロジェクトの状況を把握し、必要な対策を打っていく必要があります。そのプロジェクトの状況を把握するために、特定の事象や定性的な情報を基に指標化やモニタリングをするわけです。これが見える化の目的です。
ただし、「進捗率」「クライアントの満足度」など多様な指標を見える化していても、多くの人はそれらをバラバラに見ていることが多いようです。個々の指標の推移を注意深く追うことも重要ですが、個々の指標や情報をつなぎ合わせることで、見える化の効果をさらに高めることができます。
具体例として、指標や情報の「ツリー化」があります。下図を見てください。「期日までに成果物を完成させる」というプロジェクトのゴールに対して、見える化した多数の指標の因果関係をツリー状に表現したものです。
ツリー化の効果は2つあります。1つは、個々の指標や情報の影響先と影響元が分かることで、プロアクティブな対応が可能になること。もう1つはプロジェクトとして管理すべき情報が整理され、プロジェクト管理工数の適正化を図れることです。
1つめについては、経験豊富なプロジェクトマネジャーやPMOであれば、特にツリー化せずとも、何かが悪化した際の影響先と影響元は瞬間的に把握できてしまうものです。しかし、悪化する前の兆候を把握する目的で、こういった情報の影響先と影響元の関係を意識していないように思われます。
簡単な例で考えてみましょう。あなたがマネジメントしているプロジェクトで、あるタスクの進捗が悪化してきているとします。経験を基に原因を考えてみてください。思い付いた原因は幾つありましたか。さらに、それらの原因は定期的にモニタリングしている情報だったでしょうか。
原因を分析し、対応策を打ち出すという動きは、プロジェクトでは当たり前の光景でしょう。しかし残念なことに、こういった分析は、プロジェクトの状況が悪化して初めて行われることが多いようです。状況が悪化する前に、その兆候をつかみ、兆候をつかんだら、プロアクティブに手を打つ。そのために、個々の指標や情報の関連をツリー化し、因果関係を明確にしておく。そして日頃から個々の指標や情報をモニタリングし、すぐに感知できる準備を整えておくことが重要です。
では、もう1つの「プロジェクトとして管理すべき情報が整理され、プロジェクト管理工数の適正化を図れること」についてはどうでしょうか。経験豊富なプロジェクトマネジャーやPMOであれば、プロジェクトとして管理すべき情報が何かは理解しているものです。しかし、管理が必要な情報に過不足はないでしょうか。
思い返してみてください。あなたのプロジェクトで管理している情報はどれくらいありますか。もしかすると「作業進捗率」だけかもしれませんし、課題解決の進捗状況、モニタリング対象となっている個々のリスクの状況、メンバーの勤務状況やあいさつの回数まで多数の指標や情報を管理しているかもしれません。それらのなかで、本当に管理する必要がある情報はどれですか。もちろん、プロジェクトのフェーズでモニタリングする必要のある情報は変化していくと思います。
「見える化」にコストをかけすぎていないか
個々の情報の関連をツリー化することの効果として、プロジェクトで管理していく必要のある情報が選別され、明示されることが挙げられます。これにより、プロジェクトで管理すべき情報が多すぎず、少なすぎることもない状態にすることができます。
そうすれば、情報を収集・分析するためのコストがいたずらに増えることはなくなりますし、逆に情報が少なすぎてプロジェクトマネジメントに穴が開く心配も少なくなります。見える化で得た情報の関連をツリー化し、もう一段高いところから見える化することの効果について、ご理解いただけたかと思います。