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プロジェクトを失敗させないヒント42『息苦しい管理からの脱却』
『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』とは
本記事は、プロジェクトを成功させるために必要なノウハウを、数百の支援実績経験をもとに記述した『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』より、 1つずつヒントをご紹介していく企画です。プロジェクトマネジメントについて、何らかの気づきを得るきっかけになれば幸いです。
当社はプロジェクトマネジメントの知識と経験を有し、皆様のプロジェクトが成功するお手伝いをさせていただいております。 プロジェクトマネジメントに関する疑問や課題がある方、成功への道筋をお探しの方、どうぞお気軽にご連絡ください。
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※『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』をPDFまたは電子書籍でダウンロードできます
PMOというと、どうしても管理屋のイメージが先行します。しかし、数々のプロジェクトを見てきたなかで、現場がPMOに一番求めていることは、進捗管理や課題管理を厳格に実行してメンバーを追いつめていく役割ではありません。一緒に考えて、一緒に行動し、時には行動するお膳立てを実施し、メンバーの背中を少し押してあげるのが最も必要とされることです。
PMOが期待されていることを一言で言えば、「プロジェクトを管理すること」です。さて、プロジェクトを管理するとは、いったいどういうことでしょうか。それは、あらかじめ立てられたプロジェクトベースラインに沿って、予定通りにプロジェクトが進んでいるかを見える化することでしょうか。それとも、遅れに対して、原因を追究して課題を解決していくことでしょうか。あるいは、マネジメント層にプロジェクトの状況報告のためのレポートを取りまとめることでしょうか。それらは全てPMOで管理することに当てはまります。
しかし、プロジェクト管理において重要なポイントは、それらの活動にPMOがどのように関わっていくかです。PMOとしてやってはいけない管理スタイルは「評論家にならないこと」です。「この課題の根本原因は、要員のスキル不足だから、交代を検討すべきだ」「このリスクは、総合テストまでに解決すべきだ」「進捗状況をもっと見える化すべきだ」などの言い切った言動は評論家的です。プロジェクトに対して、他人事のように「アドバイスしてやっている」というような態度になっているPMOが、あなたの周りにもいないでしょうか。
経験上、進捗報告を毎日させるなど、管理を厳格にしても、メンバーが息苦しくなるだけです。管理工数が増えるばかりで、決してスケジュール通りに進捗するわけではありません。かく言う私も、進捗の遅れなどに際して、事細かに報告させていた時期もありました。しかし、「進捗管理を実施しているのだ」と自己満足していただけで、管理のために管理することが目的化していました。
当然、そのような管理はうまくいかず、メンバーのモチベーションを下げてしまうことが多々ありました。言い換えれば、「どのようにやればうまく管理できるか」が目的となってしまい、本来のプロジェクト管理の目的である「どうすれば、プロジェクトを成功に導けるのか」という視点が完全に抜け落ちてしまっていたのです。
現場に求められる本当の「管理」
どうすればプロジェクトを成功に導けるかという視点でプロジェクト管理を考えれば、おのずとPMOとしての活動スタイルが決まってきます。
プロジェクトの進捗を把握するために必要な情報を見える化し、課題に対する原因を究明し、マネジメント層が意思決定するためのレポートを取りまとめることは単なる「手段」に過ぎません。PMOとしての本当のプロジェクト管理は、プロジェクトの成功という目的のために手段をうまく活用することです。
つまり、適切な手段を講じながら、期待通りの結果が出るように「プロジェクトを推進すること」がPMOの活動の中心になるはずです。
理想論かもしれませんが、メンバーにアドバイスや指示をするのではなく、メンバーと一緒に解決策を考えて、開発作業に直接関係しない領域の作業(枠組みや仕組み作りなど)をPMOが主体的に担っていくことが重要なのです。
PMOとプロジェクトメンバーの関係について、私たちの意識も変わるべきです。「PMOがプロジェクトメンバーを管理する」のではなく、「プロジェクトメンバーが、自分の活動を進めやすくするためにPMOを使いこなす」という発想の転換が大切だと考えています。