プロジェクトを失敗させないヒント89『経営層への報告をプロジェクトに生かす』

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    『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』とは

    『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』とは

    本記事は、プロジェクトを成功させるために必要なノウハウを、数百の支援実績経験をもとに記述した『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』より、 1つずつヒントをご紹介していく企画です。プロジェクトマネジメントについて、何らかの気づきを得るきっかけになれば幸いです。

    当社はプロジェクトマネジメントの知識と経験を有し、皆様のプロジェクトが成功するお手伝いをさせていただいております。 プロジェクトマネジメントに関する疑問や課題がある方、成功への道筋をお探しの方、どうぞお気軽にご連絡ください。
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    ※『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』をPDFまたは電子書籍でダウンロードできます

     


    マネジメント層が知りたい情報は、プロジェクトの全体感やQCDの予実績をコンパクトにしたもの。客観的にプロジェクト状況をレポーティングすることが求められます。常にプロジェクトを俯瞰しているPMOの出番です。

    マネジメント層への報告にかけられる時間は限られています。マネジメント層は複数のプロジェクトを抱えていますし、社内作業も多く持っているので多忙です。いざ報告会議を始めても、主要メンバーのスケジュールによっては中断されることもよくあります。せっかく気合いを入れて資料を用意しても、使わずじまいになったりします。

    「マネジメント層への報告は要点を絞れ」とはよく言われますが、整理してみると、4つのポイントが挙げられます。

    (1)結論から報告する

    (2)概要資料と詳細資料を作成する。マネジメント層から突っ込まれた時に、詳細資料で補足できるようにする

    (3)定量情報、シグナル(○、△、×)をうまく使う

    (4)情報を圧縮し、マネジメント層が理解できる言葉に翻訳して、コンパクトに報告する

    限られた時間でマネジメント層に簡潔な状況説明を行い、意思決定してもらう必要があります。だらだらと記述した資料では、目を通してもらえない可能性があります。

    それ故、資料の最初に「一番伝えたいこと」を持ってくるべきです。定量的に情報を伝えるとインパクトがあります。マネジメント層の記憶にも残るでしょう。フェーズ完了報告会議や出荷判定会議では、シグナルを有効に使うことで興味を引きます。

    「結論だけの報告」は報告にあらず

    結論をコンパクトに報告することは重要ですが、結論に至るまでの「検討経緯」を端折ってはいけません。マネジメント層はまず結論を知りたがりますが、検討経緯にも注目しています。現場を離れたマネジメント層の多くは詳細を理解できなくなっていますが、「結論に至るまでの論理にほころびがないか」「リスクがないか」という視点で見ています。そうした要望に応えられる説明を心がけるべきです。

    報告の内容面では、以下の5つのポイントを忘れずに記載する必要があります。順に説明していきます。

    (1)前回報告からの変更点(前回指摘を受けた部分の対応結果など)

    マネジメント層は前回報告された内容をきちんと記憶しています。特に自分が質問した点や宿題としてプロジェクトが持ち帰ったものは覚えているものです。まずは、前回報告からの変化点や指摘を受けた部分の対応結果を報告する必要があります。

    (2)QCDの予実績、今後の見通し(要員投入計画など)

    (3)重大課題、リスクのエスカレーション

    進捗状況も、キーとなるマイルストーンの遅れについて報告し、QCDへの影響やリカバリープランを伝えます。課題とリスクはマネジメントの判断が必要なものをピックアップし、エスカレーションします。マネジメント層に決裁してもらうためには、そもそもの課題のゴールと検討経緯(判断に至ったオプション比較案など)を提示する必要があります。プロジェクトメンバーがどこまで全体感を持って、深く検討しているかがチェックされます。

    (4)マネジメント層への依頼

    報告に盛り込むべきマネジメント層への依頼事項は、多岐にわたります。「トップダウンによるユーザーの巻き込み(プロジェクト説明のキャラバン隊編成など)」「ステークホルダーとのトップ会談」「プロジェクトメンバーのモチベーションアップを図るための現場慰問」「労いのメール」などです。マネジメントレポートは、マネジメント層との貴重な接点ですので、うまく利用してください。

    (5)プロジェクトの経緯

    最後に、プロジェクトの現在に至るまでの経緯を常に載せておきます。マネジメント層は多忙なので、会議に出席する人がいつも同じとは限りませんし、初めて参加する人がいるかもしれません。過去の経緯をまとめた資料があれば、マネジメント層が報告内容を適切に理解する助けになります。

    マネジメントレポートは第三者的な視点で

    端的に言って、マネジメント層は「プロジェクトがうまくいっているか否か」を知りたいのです。仮にうまくいっていなくても、見通しが立っているかを確認したいのです。とかく運用保守フェーズのマネジメントレポートは、ミスを繕ったり、言い訳に終始しがちですが、内部向けでは客観的に原因を報告し、アクションプランや恒久的な対応、対策を提示することが重要です。

    マネジメントレポートには客観的な第三者の視点が求められます。その意味で、マネジメントレポートをファシリテートするのに最も適しているのはPMOです。

    報告資料を作成する場面でも、PMOが客観的事実や数字を基にたたき台を作成し、プロジェクトマネジャーがレビューして補足する形が有効です。PMOの立場なら、マネジメント層に率直にプロジェクト状況を訴えることができます。プロジェクトがいかに重要な局面か、問題がある場合はいかに深刻かを適切に伝え、サポートを依頼します。