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プロジェクトを失敗させないヒント13『PMOは火消しの「遊軍」たれ』
『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』とは
本記事は、プロジェクトを成功させるために必要なノウハウを、数百の支援実績経験をもとに記述した『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』より、 1つずつヒントをご紹介していく企画です。プロジェクトマネジメントについて、何らかの気づきを得るきっかけになれば幸いです。
当社はプロジェクトマネジメントの知識と経験を有し、皆様のプロジェクトが成功するお手伝いをさせていただいております。 プロジェクトマネジメントに関する疑問や課題がある方、成功への道筋をお探しの方、どうぞお気軽にご連絡ください。
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※『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』をPDFまたは電子書籍でダウンロードできます
「雑用は何でもPMOへ」--。あなたのプロジェクトは、このような状況になっていないですか。PMOが何でも屋になってしまうと、いざという時、本当に重要な問題への対応ができなくなってしまいます。PMOは、少し余裕がある「遊軍」としての働きが求められます。
『[ヒント10]PMOは事務局でも庶務係でもない』で述べたように、PMOは何でも屋ではありません。かといって、事務局や庶務係的な役回りをある程度期待されている組織であることも否定できません。実際、「担当が曖昧な仕事や雑用的な仕事をPMOが何でもやってしまう」というプロジェクトは、一見PMOのおかげでうまく回っているように見えます。
しかし、ちょっとした雑務の積み重ねの結果、仕事量がPMOの許容範囲ぎりぎりになっていたとしたら、どうでしょうか。PMOは、進捗管理や課題管理などプロジェクト運営には欠かせない横断的なタスクを抱えています。もし、PMOが対処すべき新たな横断的タスクが発生した時、プロジェクト運営自体が停滞してしまう危険性があります。
特に、次のような負のスパイラルに陥るリスクがあることに注意すべきです。(1)PMOが対処すべき突発的な課題が発生→(2)PMOの負荷が増大→(3)他のプロジェクト運営タスクに遅れが発生→(4)他のプロジェクト活動に影響→再び(1)に戻って別の突発的な課題が発生、という悪循環です。PMO自身が新しい課題を誘発してしまうようでは、このプロジェクトはもう泥沼状態の一歩手前と言えるでしょう。
PMOは、プロジェクト運営に関わる横断的なタスクを実施していく組織です。そして、プロジェクトを推進するなかでプロジェクト横断的な問題は突発的に発生します。それに備えて、PMOは普段から「本当にPMOで実施すべき仕事なのか」を選別して、少し余裕を持っておく必要があります。この余裕がないと、想定外の事象に素早く対応できません。たとえ開発チームから「暇そうだね」と嫌味を言われたとしても、PMOは遊軍たる一面を持っているべきなのです。
PMOは少し余裕があるくらいがちょうどいい
PMOは開発チームとは違い、作業工数が増えたからといって、すぐにメンバーが増員される組織ではありません。逆に、工程が進むにつれて、PMOのメンバーは減らされていく運命にあります。この点を踏まえて、自ら実施すべき仕事の範囲を調節しておかないと、いざという時に「人手が足りない」という最悪の事態に陥ってしまうわけです。
PMOには、課題管理や進捗管理などの重要なルーチン業務を着実に実施するという役割があるので、厳密な意味で純粋な遊軍ではありません。しかし、"ぼや"が発生した時、大火事にならないうちに素早く対応するという役回りは、プロジェクト状況を俯瞰しているPMOだからこそできる仕事だと思います。みなさんのプロジェクトでも、PMOの現在の状況や役割を、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。