マネジメントソリューションズ(MSOL)のナレッジやノウハウなど、プロジェクトマネジメントに役立つ情報をブログ形式でご紹介します。
情報を数値化することの目的は、数字を守らせることではなく、遅延に対する対策の検討やリスクの抽出を行うことです。数字を守らせることを目的としてしまうと悪い報告がしにくくなり、悪状況が早期に報告されないなどといった事態につながります。見える化の正しい目的の理解には、プロジェクトマネジャーやPMOが正しい目的を示す態度が必要です。
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小規模プロジェクトは、特徴や事情、人数、文化に合わせた管理が必要です。PMOとして参画すると、まずは状況の可視化を行いますが、力の入れ具合を間違えると活用されない管理ルールのみが出来上がってしまいます。過去の経験やPMBOKなどの知識にあまり捉われず、本当に必要な情報だけを収集する仕組みを考えましょう。
小規模プロジェクトでもPMOは有効です。PMやリーダーに代わり、状況把握、スケジュール管理や課題・リスクの把握を行います。そのためには「何でもやる覚悟」と「メンバーの忙しさに引きずられない強さ」が必要です。効率的なPMOの活用には、PMとPMOの役割を明確にし、マネジメントをPMOに任せることが重要となります。
現場がPMOに求めていることは、管理を厳格に指示するプロジェクトの評論家ではなく、一緒に考えて行動し、時には行動のお膳立てを行い、メンバーの背中を少し押してあげることです。どうすればプロジェクトを成功に導けるかという視点でプロジェクト管理を考えることこそ、息苦しい管理からの脱却に繋がります。
PJの保守運用フェーズにおいても、PMOが活用できます。障害対応は、根本原因の追究と継続的な対策が必要です。PMOが、改善目標達成に向けた情報収集や対策検討、対応計画立案などを主体的に行うことで、マネジメントが可能になります。また、対応やナレッジをドキュメント化することで、属人化の防止にもつながります。
PJの見える化ツリー作成時に、実際のデータと突き合わせて検証することで、ツリーのブラッシュアップや新たな発見を得ることが可能となります。 しかし、PJ開始時はデータが少なく、蓄積にも時間と工数がかかります。 そのような状況では、PM/PMOの勘と経験を組み合わせることで、データの相互補完が可能になります。
プロジェクトをツリー化して管理することで、プロジェクト見える化の効果は一段と高まります。 プロジェクトのツリー化は、「プロジェクトのゴールの検討」「ゴール達成の管理指標の検討」「関係者間でのツリーの認識あわせ」の、3つのステップで定義、定着させることが必要です。
プロジェクトの見える化の際、各指標を個別に見るだけでなく、関連付けて見ることで、見える化の効果を高められます。 具体的には、情報をツリー化して因果関係を明らかにすることで、見える化を活用できます。 これにより、各現象の関連性が分かるだけでなく、見える化すべき指標に過不足がないかの確認が可能となります。
業務内容を完璧に引き継いだとしても、後任者の立ち上がりがうまくいかないことがあります。原因として、PJのメンバーやキーパーソンとのコミュニケーションが上手くいかないことがあげられます。PMO業務の90%はコミュニケーションで成り立っているため、キーパーソンを交え、「人とのつながり」まで引き継ぐことが必要です。
引き継ぎをうまくマネジメントできているプロジェクトは非常に少なく、特にメンバー離任時に問題が頻発します。引き継ぎ側と後任側では、裏表の関係にある問題が発生し、これらの根本原因として、マネジメント不足が挙げられます。 そのため、PMOが引き継ぎのマネジメントプロセスを作成・運用することが求められます。
人は、新ルールの導入に対し、工数増大などマイナスな感情を抱きがちなため、ルール定着が上手く進まないことがあります。 これを改善するには、ルール自体の改善ではなく、新ルールの導入によるメリット・変化をメンバーに理解してもらうよう、「人の気持ち」にアプローチし、現場と綿密にコミュニケーションを取ることが必要です。
意思決定プロセスのドキュメント化により、要件変更時も以前の検討結果を基に再検討ができ、関係者の認識統一、工数削減に繋がります。しかし、現場メンバーは検討や準備に追われており、ドキュメント作成は後回しになりがちです。 その為PMOが資料を簡単に一元管理できる仕組みを作り、資料作成や保管の一助となる事が必要です。
教訓蓄積のサイクルを実施するには、このサイクルの重要性を周知させることが必要です。 プロジェクトの成功体験や失敗体験から教訓を導き出し、蓄積し続けていくことは根気と労力がいる仕事です。 だからこそ、PMOが日々のプロジェクト運営に仕組みとして組み込み、教訓が自動的にたまっていくようにすべきです。
システム開発プロジェクトでは、プロジェクト終了後に反省の総括をしないことが原因で、蓄積した教訓を活用できない状況が多くあります。 PMOが、プロジェクト終了後に反省を総括し、それらを別プロジェクトに当てはめて考え直して活用することは、会社にとっての大きな利益となります。
予測のできない「良い失敗」からは教訓を学び、予測可能な「悪い失敗」を未然に防ぐ。PMOには、いわゆるリスク管理能力が求められます。 現場目線での失敗の原因究明と対応策立案や、失敗を報告しやすい組織づくりなど、PMOがマネジメント層と現場とを繋ぐ橋渡しとして活動することは、プロジェクトへの大きな貢献となります。